LCCは全体的に遅延が多いですが、その中でもエアアジアは比較的時間厳守なイメージがあります。そこで実際のところエアアジアの時間厳守率はどれくらいなのか調べてみました。
エアアジアグループ全体の遅延率
投資家向けに公開されている情報によると、2018年のエアアジアグループ全体の時間厳守率は72%とのことですので、同グループのフライトは28%の確率で遅延しているということになります。(時間厳守の定義としては、発着が予定時刻の15分以内に行われていることが目安となります。)
ちなみに2017年の情報は以下となりますが、近年は概ね遅延率は25%~30%あたりをキープしているようです。
ただ出典元を見ていただくと分かるかと思いますが、遅延率が年々上昇してきています。これについて詳細な原因は不明ですが、路線を徐々に拡大していることを考慮すると、一部の路線の遅延率が高く、全体の足を引っ張っていることが想像できます。
エアアジアグループ内で遅延率の格差が大きい
エアアジアグループ内で遅延率が低い路線
OAGのレポートによると、時間厳守率が高く、遅延率の低いLCCの航空会社の上位20社(2018年実績)のうち、エアアジアグループでは8位にタイ・エアアジア、12位にエアアジア・インディアがランクインしています。(エアアジア・インディアはインドのコングロマリットである「タタ・グループ」との共同出資により設立され、2014年より運行をスタートしています。)
日本人にも馴染みのあるところでいくと、ジェットスター・アジアの遅延率の低さが目立ちます。私は1回もジェットスターには乗ったことがないのですが、日本線では日本人乗務員が最低1名乗務しているとのことで、この遅延率の低さも考慮するとLCCとしては文句のつけようがありませんね。
エアアジアグループ内で遅延率が高い路線
OAGの2017年6月~2018年5月の調査によると、エアアジアグループ内でも、エアアジアX、インドネシア・エアアジアX、フィリピン・エアアジアは、遅延率が40%代とかなり高くなっています。OAGの評価においても、LCC全体で見ても遅延率が低いエアアジア・インディア、タイ・エアアジアが3の評価を得ているのに対し、エアアジアX、インドネシア・エアアジアX、フィリピン・エアアジアは1の評価と同じグループ内でも評価に大きな差があることが分かります。
エアアジアの遅延で乗り継ぎに失敗したら
こちらの記事のように、自分が空港に到着するのが遅延した場合ではなく、フライトに遅延が発生した場合です。エアアジアを利用した際、仮にフライトの遅延で乗り継ぎに失敗したら、どのような対応がなされるのでしょうか。
フライスルーで予約している場合は後続便を利用可能
フライスルーの場合(目的地までの航空券をまとめて予約している場合)は、無料で後続便を利用することができます。旅行の予定は後ろ倒しになってしまいますが、目的地までは追加費用を払うことなく到着できるようです。
フライスルーで予約していない場合
乗り継ぎ地までの航空券と、乗り継ぎ地から最終目的地までの航空券を別々で取っている場合は、遅延が発生した原因にもよりますが基本的に補償はありません。ただ状況次第な部分がありますので、実際に自分のフライトが遅延した場合は、エアアジアのスタッフに問い合わせをすることをお勧めします。
クレジットカードの航空便遅延費用保険を活用する
クレジットカードによってはフライトの遅延により発生した損失を一定額まで補償してくれる、航空便遅延費用保険が付帯している場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。基本的には補償が付帯しているクレジットカードを持ってさえいれば適用となりますが、一部は遅延したフライトの航空券の購入に利用されていなければ適用されないというものもありますので気を付けましょう。
フライトに遅延が発生せず乗り継ぎ便に乗り遅れないということが最もよいですが、いざというときのために上記のことは最低限覚えておきたいですね。
エアアジアの遅延率についてまとめ
遅延率についてエアアジアグループ全体としてはまずまずですが、グループ内での格差が大きいということが今回調べてみて分かりました。個人的にはエアアジアはLCCの中でトップクラスに遅延率が低いものだと思っていたので、少し予想外でしたね。ただ時間厳守の定義が予定時刻から15分以内の発着という厳しいもののため、遅延率がある程度高くなるのはしょうがないという気もします。
最近だと日本に乗り入れてくるLCCの航空会社も増えてきており、航空券を予約する際に目的地を設定した上で、どのLCCを日本からの往復で利用するか選択できる時も多いです。そうした場合は、遅延率の低さも一つの指標として航空会社を選択するようにすれば、より快適な旅ができるかもしれません。
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